プロジェクトストーリー

この仕事は一人ではできない。何より大切なのはコミュニケーション。 この仕事は一人ではできない。何より大切なのはコミュニケーション。

  • 丸山紗穂 丸山紗穂
  • 遠田和舞 遠田和舞
  • 大西正記 大西正記

名古屋事業本部が主体となって企画・提案を行って受注した初の工事 名古屋事業本部が主体となって企画・提案を行って受注した初の工事

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愛知県知多郡武豊町で、業務用を主体とした調味料や醸造製品の製造を行う泉万醸造様は、展示会「FOOMA JAPAN」(国際食品工業展)をきっかけに、中設エンジを知った。

実は大手ゼネコンなどにとって、食品工場は決して得意な仕事ではない。なぜなら「食の安全」が叫ばれる昨今、建設には独自のノウハウが多数必要だから。食品工場は建物の大きさとして大規模なものは少ないが、設備の各部位における衛生管理は非常に細かく、ビル工事などと比べ、工程が非常に複雑になる。その点、中設エンジには豊富な食品工場の施工実績があった。そして同社はゼネコンと設備工事会社とエンジニアリング会社、すべての領域をワンストップで行うことができ、競争力も高い。それらに着目した泉万醸造様は、2016年に稼働予定の新工場建設を中設エンジに託すことを決めた。

そして中設エンジ名古屋事業本部にとっても、今回のプロジェクトはエポックメイキングだった。なぜなら今回は、名古屋事業本部が主体となって企画・提案を行って受注した初の工事だから。食品工場の建設工事の企画・提案はこれまで、主に東京のエンジニアリング本部が中心となって行ってきた。しかも今回は改修ではなく新築工事であり、名古屋は伊藤忠商事と名古屋鉄道の合弁会社である同社にとって、創業の地。そんな背景も手伝い、同事業本部のモチベーションはこれまでになく高まっている。

新人が施工管理の業務全体を理解するには、もってこいの現場 新人が施工管理の業務全体を理解するには、もってこいの現場

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中設エンジでは、新入社員研修の一環として、まず現場に配属してキャリアを積ませることが多い。一つの現場で竣工まで雑務をこなすことによって、工事とはどういうものなのかを知り、工程を把握させることが狙いだ。そして昨年7月、泉万醸造新工場建設プロジェクト作業所にも二人の新人が配属されてきた。

この現場作業所は実はもともと、大西(泉万醸造新工場建設プロジェクト作業所 所長)と他2名の体制で立ち上がる予定だった。大西さんは語る。
「そこに、新人二人が現場研修を兼ねて配属されることになったのです。改修ではなく新築工事ですし、プロジェクトの開始がちょうど新人が配属される7月なので、工事の段取りからクライアントへの引き渡しまで、すべてを見ることができる。つまりここは、施工管理の業務全体を理解するには、もってこいの現場。それが配属の理由です」

2015年7月、現場にやって来た新人二人は、丸山紗穂(名古屋事業本部 技術統括部 技術第二部 建築課)と遠田和舞(名古屋事業本部 技術統括部 技術第一部 第一課)。丸山は、名古屋事業所で初めて現場に配属された新人女性だ。彼女は大学時代、環境創造学科に在籍。設備学の授業を受けて建築系設備に興味を持ったことがきっかけで、中設エンジに入った。

「自分で指示を出し、その結果、工場やいろいろな建物を作ることができる。そこに魅力を感じました。入社して現場に配属されてみると、毎日違うことが起こるのが楽しくて、飽きることがない。事務や営業よりも、ずっと面白いです。むしろ毎日いろいろなことが起こりすぎて、頭が追いついていきません(笑)」

「しつこい!」と言われるまで自分から話しかけて、食らいつく 「しつこい!」と言われるまで自分から話しかけて、食らいつく

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当たり前のことだが、工事は中設エンジの5人のみで行われるものではない。現場に出入りする多くの業者と、いかに円滑なコミュニケーションを築くか。それが、現場に配属された新人にとって最初の関門となる。

「最初は、職人さんがぜんぜん話してくれないんです。でもめげずに、ひたすら話しかけました(笑)。最初のころに苦労したのが、杭工事です。高い精度が必要な工事で、杭を1本打つたびにトランシットという計測機器を2カ所据えて、杭にレーザーを当てる必要があるんです。その工事を遠田君と一緒に手がけたのですが、作業の際、杭担当の職長さんが遠田君しか見てくれない(笑)。必死でこちらから話しかけて頑張りました。緻密な作業でしたし、あれは本当に大変でしたね」

そんな丸山の努力は、周囲にもはっきりと映っている。同じ現場で働く先輩社員はこう語る。
「女性が現場に配属されるケースは少ないので、職人さん達も彼女をどう扱っていいのかわからない面があるのでしょう。そこが壁になったと思いますが、彼女はめげずに立ち向かっていった。自分から積極的に話しかけていき、職人さんからの注文にも決して逃げず、対応力も高い」

同期入社の遠田とは、切磋琢磨する関係。そんな彼に丸山の姿はどう見えているのか。遠田は語る。
「よくしゃべりよく働く。そんな印象です(笑)。でも同期入社として、刺激を受けることも多い。僕ももっと職人さんと話さなきゃ、と思います」

そして配属以来、所長として彼女の成長を見守り続けた大西さんはこう語る。
「彼女はもともと現場志望。僕としても初めて接した女性の新人で、気合いの入った子だなあ、という第一印象。接してみるとすごく活発で、とても現場向きだと思いました。当たり前のことなのですが、職人さんはみんな『こいつ、ちゃんとできるのか?』という目で見てきます。でも最初はできないし、わからないものです。でも『しつこい! と言われるまで自分から話しかけて、食らいつけ』と言いました。それを繰り返していくうちに、明らかに職人さんが彼女を見る目が変わってきました。徐々に信頼関係ができてきていることが、僕が見てもよくわかります。われわれの仕事は決して一人ではできません。自分の人柄をわかってもらい、相手といい関係を築く。そんなコミュニケーション能力が何より大切です。弊社全社員が共有する精神、"Smile & Communication"。まさにそれです」

現場では毎日のように叱られながらも、持ち前の「打たれ強さ」を発揮。丸山は、多くのことをスポンジのように吸収していった。今や彼女抜きに、この泉万醸造新工場建設プロジェクトは成り立たない。

「配属されてからもう、いろいろなことがありすぎて…。この現場では本当に鍛えてもらっています。竣工は今年5月ですが、もし今後別の現場や部署に行き、またここに来る機会があったら、泣いてしまうかもしれませんね(笑)。将来は設計や企画・提案なども手がけてみたいですが、当面は現場でしっかりと勉強していくつもりです」

中設エンジが求める、企画・設計・施工から設備までをトータルでまとめられる新たな理想像。頑張る女性の一人として丸山さんがその象徴となるのは、決して遠い日ではなさそうだ。