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お客様の想いをカタチにする、トータルエンジニアリング。何よりも大切なのは、お客様とのコミュニケーション。そして信頼に応える技術力。
PROJECT02 営業×設計×施工

お客様の想いをカタチにする、
トータルエンジニアリング。
何よりも大切なのは、
お客様とのコミュニケーション。
そして信頼に応える技術力。

トータルエンジニアリングで挑む
世界最高峰品質の
ウイスキー工場

食品工場専門のトータルエンジニア会社として、業界内外で注目を浴びている中設エンジ株式会社(伊藤忠グループ/名鉄グループ、以下、中設エンジ)。近年ではジャパニーズクラフトウイスキーの草分け的存在である株式会社ベンチャーウイスキー(以下、ベンチャーウイスキー)のボトリング工場新設プロジェクトにも参加している。ベンチャーウイスキーは、創業者の名を冠した『イチローズモルト』が、世界的ウイスキーコンテスト『ワールド・ウイスキー・アワード』で最高賞を受賞するなど、まさに世界に誇る日本のウイスキーメーカーだ。当然、ウイスキーに対する想いには揺るぎないものがあり、求める品質も高い。加えて今回、導入した樽の払出し装置は、ベンチャーウイスキーにとって初めてシステム化する設備のため、化学的数値やデータによる基準値などの指標がない状態からのスタートになった。最高難度とも言えるこのプロジェクトの中核を担った営業統括部営業第二部長 内全 博氏(以下、内全営業部長)、生産システム統括部生産システム部長 木村 高志氏(以下、木村システム部長)、技術統括部 設備第二部第一課課長補佐 大塚 卓也氏(以下、大塚課長補佐)の3人に、それぞれの立場で話を聞いた。

一緒に歩んで行けるパートナーとして

一緒に歩んで行ける
パートナーとして

「ベンチャーウイスキー様とは、食品工業の展示会でご縁をいただきました。ボトリング工場の新設を考えているということでしたので、是非弊社にもお手伝いさせて欲しいということになり、後日コンペにてプレゼンテーションをさせていただきました」と内全営業部長。多額の費用がかかる工場の新設では、複数の業者が同時に提案を行う「コンペティション方式」で施工会社を選定することが一般的だ。複数回プレゼンテーションを行うなどして発注側と受注側の希望や想いをすり合わせていくことが多い。「2019年11月に1回目のプレゼンテーションが行われたのですが、その時は、かなり手応えを感じました。ベンチャーウイスキー様の反応も好評だったように思います。ところが、 2回目のプレゼンテーションは、新型コロナウイルスの影響により、オンラインで行いました。手探り状態の中、万全の準備で挑みましたが、やはり画面越しに見るお客様の表情は読み取りづらく、こちらの想いが伝わっているか不安でした。受注が決まった時は本当にホッとしましたね。後日、ご担当者の方に弊社を選んでいただいた理由を尋ねたところ『ご提案いただいた内容がベンチャーウイスキーの考え方にマッチしていたのはもちろんですが、中設エンジさんであれば一緒に歩んで行けるパートナーになってくれると感じたからです』とおっしゃっていただきました」

お客様の情熱が我々の推進力に

お客様の情熱が
我々の推進力に

受注が決まった後は、生産システム部が主導して基本計画の策定が進んでいく。「今回我々が担当させていただいたのは、蒸留して寝かせた原酒を樽から払出して濾過し、充填する機械に送り出すシステムです。当時そういった機械は国内に存在していなかったので、このプロジェクトのために機械を開発するところから始めました」木村システム部長が詳細を説明してくれる。「まず蒸留したウイスキーの原酒は、焼いた樽の中で何年も寝かされ熟成します。そうすることでウイスキーらしい風味や色がついてくるのですが、樽から滲み出た細かい炭などの不純物が残ってしまうため、充填する前の段階で一度濾過する必要があります。その際に課題になるのが『どの程度不純物を取り除かなければいけないのか』ということです」現在の濾過技術を使えば、透明になるほど不純物を取り除くことも可能だが、当然それでは複雑で豊かな味わいを持つウイスキーにはならない。しかし不純物が残り過ぎてしまえば、充填装置に送り出す直前に行うファイナルフィルターを詰まらせてしまうため、樽から原酒を出した段階である程度は取り除かなければ、システムとして稼働しないと言う。ちょうど良い塩梅にするためにはひたすらに試行錯誤を繰り返すしかなかった。「10種類以上ものフィルターを使用して何度もテストを繰り返し、一度は妥協点と呼べるような品質に辿り着いたのですが、やはり本当に納得できるまでやりきりたい、という想いがありました。なので試運転のギリギリまで開発の手は止めず、最後の最後でようやくベンチャーウイスキー様にもご満足いただけるものを納めることができた時は、本当になんとも言えない喜びがありました」ゼロからシステムを作り上げるのは並大抵の苦労ではなかったが、ベンチャーウイスキーがウイスキーと真摯に向き合う姿勢が、今回プロジェクトに関わった中設エンジの担当者たちに伝わり、途方もないと思われるような壁も乗り越えられたという。「我々みんなベンチャーウイスキー様のファンなんですよ」と木村システム部長。

お客様との信頼関係を
築くことが大切

施工は順調に進んだように見えていたが、その内実、大塚課長補佐は常に東奔西走していた。「半導体不足の影響により、機器等の納期遅延が目立ち始めた時期でもあったので、その辺りの調整は結構ありました。我々現場は工期内に工事を終わらせることをまず考えなければなりません」と施工管理を担当した大塚課長補佐。工期が延びれば、その分人件費や作業にかかる費用が増える。当然、生産を開始するのも遅れてしまうことになるので、施工管理の立場としては予定された工期内で引き渡すために、様々なことを迅速に対処しなければならない。「工事中にトラブルや不明点があった時に、私の立場で『わかりません』では済まないんですよ。と言うのも、うちは設計から施工、設備まで全てを手掛ける『トータルエンジニアリング』ですから。そこは弊社の管轄じゃないので他に聞いてください、とは言うことができないんですね。とにかくあれこれと対応していました」 と大塚課長補佐。「結局はお客様とは常にコミュニケーションをとって、信頼関係を築くことが1番大切だと思います。今回はプレゼンテーション、計画、設計の段階でしっかり信頼関係を築けた上で、現場にバトンタッチしてもらったので、その点は本当にやりやすかったですね」

お客様との信頼関係を築くことが大切
トータルエンジニアリングの本質

トータルエンジニアリングの本質

「ベンチャーウイスキー様とのプロジェクトは、中設エンジにとって今後の事業を考える上で、理想的なモデルケースであったと思います。例えば、すでに工場で生産している製品の第二工場、第三工場を増設するようなプロジェクトであれば、それまでのデータもありますし、クリアしなければならない条件も概ね揃っているので、他の会社でも実現することができるかもしれません。しかし今回のように、既存のシステムが存在しておらず、数値的な基準値もないプロジェクトの場合は、簡単にどこの会社でも実現できるわけではありません。でも中設エンジならそれができます。逆に言えば、そういったプロジェクトに挑むことこそトータルエンジニアリングとしての本質ではないかと私は考えています」と木村システム部長。その言葉を受け、内全営業部長が補足する。「あくまでもお客様の本業は製品を造り、それを販売することだと思います。私たちは、お客様に代わってエンジニアリングを提供し、そのお手伝いをする。そう言った意味でも今回のベンチャーウイスキー様のプロジェクトをお受けできたことは本当に幸せでした。木村が言うように本質的な『トータルエンジニアリング』の本領を発揮できたのではないでしょうか」

INTERVIEW MEMBERS

大阪事業本部 営業統括部 営業第二部長 内全 博

大阪事業本部
営業統括部 営業第二部長
内全 博

生産システム本部 生産システム統括部 生産システム部長 木村 高志

生産システム本部
生産システム統括部 生産システム部長
木村 高志

東京事業本部 技術統括部 設備第二部 第一課 課長補佐 大塚 卓也

東京事業本部
技術統括部 設備第二部
第一課 課長補佐
大塚 卓也